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CD review:.
Walter Rummel (1881-1953)

Prince Of Virtuosos:
A Life Of Walter Rummel, American Pianist

Charles Timbrell ( ISBN: 0810851393 )
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Walter Rummel の伝記が発売されている。著者は「French Pianism」の Charles Timbrell 氏。歴史的大ピアニストであった父・Franz Rummel の活躍から、ドビュッシーのお気に入りピアニストでもあった Walter Rummel のディスコグラフィまで詳しく綴られている。

さて、ここで敢えて取り上げたのは付属のCDの素晴らしさを語りたかったからである。半分は仏Dante盤と重複するが、なんともう半分は、1940年代放送録音とコロンビアのテスト録音(1924年のアコースティック録音!)を収録しておりマニア垂涎の内容となっている。

まず特筆すべきは、ここに収められた放送録音のリスト「小鳥と語らうアッシジの聖フランチェスコ」と「水の上を歩むパオラの聖フランチェスコ」の2曲である。多くのピアニストの録音の中でも群を抜く名演奏となっている。私はこの大好きな「2つの伝説曲」を奇蹟的な Erwin Nyiregyhazi の超絶演奏で聴いて以来、Alfred Cortot、Marcel Ciampi、Roger Machado、Vlado Perlumuter などのレコードに対しては、ある種の物足りなさと、何かこの曲へのアプローチの方向が間違っているような違和感をずっと感じていた。もはや Nyiregyhazi の演奏の様な「神の降臨」以外、この曲にどの様な表現方法が残されているのか明確に提示してくれた演奏を見つけ出せなかった。しかし彼らは、もしかしたら Walter Rummel の様に弾きたかったのではなかったのか、そしてそれに達し得なかっただけではないのか、と妙な納得の仕方をしてしまった。

Walter Rummel は Josef Hofmann と同じくらいに、レコードとライブ演奏の差が激しいピアニストだ。SP盤で聴く演奏からは、これ程までに素晴らしいピアニストとは想像できなかった。いかに当時のレコード録音事情が演奏スタイルの大きなピアニスト達へ不利に働いていたのかと、つくづく同情してしまう。ここに収められたライブ音源は、本当に生き生きとした素晴らしい演奏なのである。歴史に残るヴィルトゥオーゾの演奏とは、本来こういうものなのだろう。

この他にも、Bach-Rummel、Wagner-Liszt、Mendelssohn、Chopin などの未発表音源が収められており、ピアノ・レコード・ファンには是非お勧めしたい一枚(一冊)である。(お勧め度:★★★★★)

(注釈)Erwin Nyiregyhazi はリストの生まれ変わりと大まじめに語られた程のグランド・スタイルで、かのハロルド・ショーンバーグ氏を「真に19世紀的なピアニストを、現代で聴けるとは思ってもみなかった!」と驚喜させたピアニストである。
Walter Rummel : Chopin; Valses, Mazurkas/Etc.
Dante HPC027
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仏DanteからのCD初復刻盤であるが、現在では入手困難となっている。復刻の音質については色々と意見が分かれる所ではあるが、他のレーベルが復刻していなかった Walter Rummel を扱った事は大きな功績だ。この一枚で大体のPOLYDOR録音を聴くことが出来る。(ちなみに、私の所にある原盤のレーベルは白地に水色のSiemens盤である。)パデレフスキやパハマン、フリードマンなど馬鹿の一つ覚えの様に繰り返しのCD化をしているレーベルには是非この精神を学んで欲しいものだ。(お勧め度:★★★★★)
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